Self Help 自助論

スマイルズの世界的名著 自助論――深く考える習慣が、自分の限界を破る!    知的生きかた文庫
スマイルズの世界的名著 自助論――深く考える習慣が、自分の限界を破る! 知的生きかた文庫
サミュエル スマイルズ, Samuel Smiles, 竹内 均

天は自ら助くる者を助く
いい人生を送れる人とは?「よく考え」「よく働く」人であるという前提に共感しました。
誰から見ても、充分な努力と研鑚を行っている人は、その分野で充分評価せれるという、非常にあたり前なのになんともなしに忘れていたことを、そう昔じいさんに言われたような、そうでないような気分にさせてもらえる本でした。

本文の中に出てくる表現は小さな頃から誰ともなしに聞かされていて、それが記憶に残っているからなのでしょうが、ひたむきに自己研鑽を積む人の人生に不安なんてあるはずはない。という言葉は、原書が1858年に著わされてから随分時が経った今でも読みつづけられる普遍性が本書にはあると思います。

人生の選択肢が多くなった現在ですが、結局のところ、「より楽して儲けられる」仕事?方法?を探して右往左往している生き方や社会に多少の疑問を感じておられる方はぜひ一読されてはいかががでしょうか?

自助論 ISBN483797239X
目次
《自助の精神》人生を自分の手で開く楽しみを知る
まず今日、自分の 「変革」に手をつける
「努力はとぎれることなく引き継がれる」
人間の優劣を決める精一杯の努力
人生に退屈な時間などない
《忍耐》たったこれだけで努力が苦でなくなる!
常識に明るく、辛抱強い人間になること
人生の九割は?快活な精神と勤勉″で決まる
逆境を逆境としない生き方
勝負のカギとなる「持続力」
《好機を確実に生かす》この「改善」の手が、いま打てるか!
「ひらめき」の秘密-?ささいなこと″にも手を抜かない
賢者の目は頭の中にある
”ひとり歩きできる人″に与えられる勝機 
幸運は手の届くところで待っている
「信念」は努力を無駄にさせない
《仕事》いつも最高の成果を生むための基本原則
「何かに打ち込める人」が持つ共通の目的
「自分に打ち勝つ力」をしっかり植えつける法
《意志と活力》「使命感」が人の器を何倍にも大きくする
道がなければ道をつくる
自分の行き先を方向づける「意志の力」
心にしみるのは?真実の言葉″だけ
「真の誠実」は何にも優る力になる
?旺盛な活力?と?不屈の意志″の表現法
《時間の知恵》成功者はみなこの「実務能力」を生かしている!
ビジネスの手腕にも秀でた?天才″たち
「満たされた生活」がもたらす脅威
ビジネスを成功させる六大原則
ウェリントンを大将軍にした「実務能力」
?正直?はいつでも最良の策
《金の知恵》?楽するため″にはこの汗をかけ!
金は?人格″をもって扱え
「貯蓄」は心の砦になる
人生の転機に絶対に身を誤まらない法
金を一銭も腐らせないためにはこの知恵がいる
《自己修養》頭脳と心・体の、効率よく痛快な鍛え方
?自学自習″で勝ち取った知識ほど応用の利くものはない
鉄は?熱くなるまで″打て
「真の知識」と「にせの知識」を混同するな
自分の才能を最大限に生かす絶対法則
「大器晩成」の先人から学ぶポイント 
《出会い》人生の師・人生の友・人生の書を持っているか
いま、自分の周囲に何があるか"
?よい忠告?よりも?よい手本″を探しなさい
自分を燃え上がらせる?熱源″を持つ
《信頼される人》人望・人格の力は一生通用する最高の宝だ!
?いざという時?に困らない絶対的な力
理想に現実を重ね合わせる努力をしているか
礼儀作法には金がかからない。しかも礼をつくすだけで何でも手に入る
真の人格者を知る?ものさし"

要約
「天は自ら助くる者を助く」
外部からの援助は人間を弱くする。自分で自分を助けようとする精神こそ、その人間をいつまでも励まし、元気づける。
その人のために良かれと思って援助の手を差し伸べても、相手はかえって自立の気持ちを失い、その必要性をも忘れるだろう
「外からの支配」よりは「内からの支配」
立派な国民がいれば政治も立派なものになり、国民が無知と腐敗から抜け出せなければ劣悪な政治が幅をきかせる。国家の価値や力は国の制度ではなく、国民の質によって決定されるのである。
人間の優劣を決める精一杯の努力
人間の優劣は、その人がどれだけ精一杯努力してきたかで決まる。怠け者は、どんな分野にしろ、すぐれた業績を上げることなどとうていできない。骨身を惜しまず学び働く以外に、自分をみがき、知性を向上させ、ビジネスに成功する道はない
莫大な資産価値を持つ土地は、親から譲り受けられるかもしれない。しかし、知識や分別は、そうはいかない。金持ちは、他人に金を払って自分のために働かせることはできても、他人から自分のためになる思慮分別を買い取れはしない
人間は、極寒の地をめざして休まず歩む旅人に似ています。目的地に近づけば近づくほど旅人は足を速めなければなりません。そこでは、寒さこそ旅人の精神にとって最大の病魔となります。この恐るべき敵から身を守るには、精神を活発に働かせておくと同時に、常に友人と接触を保つことが必要になるのです
自分に対して「最良の援助者」になれ
自分の力を信頼し、精力的に働くこと、これが人間にとって不可欠なもの
人生の九割は?快活な精神と勤勉″で決まる
成功の秘訣は、自らの直面している問題をマスターすることにある。そのためには勉学に熱中しなくてはならない
人間の進歩の速度は実にゆっくりしている。
偉大な成果は、決して一瞬のうちに得られるものではない。そのため、一歩ずつでも着実に人生を歩んでいくことができれば、それを本望と思わなければならない
時間と忍耐は、桑の葉を絹に変える
快活な精神はすぐれた資質であり、それはどんな不幸や失望にもへこたれない力を与えてくれる
賢者の目は頭の中にある
賢者の目は頭の中にあり、愚者は暗闇を歩く
古代イスラエルの賢王ソロモン
心は目と同じくらい立派にものごとを見通せるのである。思慮の浅い人間には何も見えなくても、聡明な洞察力を身につけた人間は、目の前のことに深く立ち入り、その奥に横たわる真理にまで到達できる
いつも最高の成果を生むための基本原則
芸術家として他に秀でようと思ったら、気が向こうと向くまいと、朝も昼も夜も一心不乱に制作に打ちこむべきだ。それはもはや楽しみの域を超え、苦行と呼ぶにふさわしい
ある時、ベネチアの貴族がミケランジェロに自分の胸像を依頼した。彼は十日でその像をつくり上げ、代金として金貨五十枚を請求した。貴族は「たかだか十日で仕上げた作品にしては法外な代金だ」と抗議した。だが、ミケランジェロはこう答えた。「あなたはお忘れになっているのですよ。胸像を十日でつくり上げられるようになるまでに、私が三十年間修業を積んできたということを」
たとえ一歩でも今日前進することが大事
割に合わない仕事にも注意深く心をこめて取り組んだ。常に最善をつくし、以前より一歩でも二歩でも前進したものを描き1げようと努力した。ターナーのようにものごとに専念すれば、誰でも目に見えて進歩を遂げるにちがいない
いつも?この機会〃を探し求めている人にはかなわない
誠実でねぼり強い勤勉な姿勢
善悪の選択は、その人間の自由にまかされている
われわれの自発的な意志に絶対的な拘束を加えるものなど、この世には存在しない
努力と目標と希望
努力は個人の進歩や一国の文明の発展の根幹を成している
努力もせずにどんな願いでもかなえられるとしたら、人は何も望まず、それを得ようと必死になることすらないだろう。それは呪うべき最悪の生き方である
人生に一片の目的も行動の必要性もないというのは、考えただけでも耐えられぬほどの苦痛だ
不幸者と愚者は隣り合わせに住んでいる
いつも自分の不幸を嘆いている連中の多くは、自らの怠惰や不始末、無分別、そして努力不足のしっぺ返しを受けているにすぎない
世間にあれこれ不平不満をぶちまけるのは、絶対にまちがっている。どこか長所のある人間なら、いつまでも無視されつづけるわけがない。成功をつかまえ損なうのは、たいていはその本人が悪いからだ
人間は一つや二つ長所があったところで誰からも相手にされない、などと聞いたふうな理屈をこねる連中がいるが、それはまったくのウソつばちだ。だいたいそんな連中は、自分の怠けぐせや優柔不断な態度を棚に上げて、成功できないことを世の中のせいにしたがるのだ。もちろん、人間の長所といっても千差万別で、その多くは中途半端で不徹底なしろものだ。だが、ほんとうに鍛えられたすぐれた長所を持ち、それをいかんなく発揮する人間なら、世間が見逃すわけがない
ただし、どんなに長所があっても、家の中に閉じこもってチャンスが来るのをただ待ちわびているだけではお話にならない
ビジネスを成功させる六大原則
注意力
勤勉
正確
手際
時間厳守
迅速
人生における自己修養
何かに打ち込んでいるほど幸せなことはない
さびついてしまうよりボロボロにすり切れたほうがましだ
休息なんて、あの世に行けば誰でもできるではないか
教育
直接的にせよ間接的にせよ、われわれを、よい人間、ひいてはよい国民に高めていけないような学問は、もっともらしく仕組まれた精神のままごとである。そんな学問から知識を得たところで、それはまさしく無知を学ぶことにはかならない
すぐれた書物は確かに有益で、学ぶべき点が多い。だがそれも、精神をみがき上げる方法の一つにすぎない。人格の形成には、むしろ実地に体験したり、すぼらしい手本に学んだりするほうが効果が大きいだろう
真の教育の目的とは、他人の思想や考えをうのみにしたり東に詰めこんだりすることではない
大切なのは、知力を高め、有意義な人生を送れるよう努めることだ。そこでは、知識の量より知識を得る目的のほうがはるかに重要な問題である
知恵を発達させ、人格を高め、より豊かで幸福で価値ある人生を送るために学ぶべきだ。知識は、人生の高い目的をより有効に追求するための活力源でなくてはならない
すぐれた知識はそのまま自分の生活に反映し、すぐれた思考はそのまま自分の行動に結びつかなければならない
真の人格者
他人の行動をコテンパンに批判して事態をさらに悪化させるより、自分が多少傷ついても辛抱するほうを選ぶ。
自分より恵まれない境遇にいる人の弱きや失敗や過ちには寛大な心で接しょうとする。
富や力や才能におごらず、成功しても有頂天にならず、失敗にもそれほど落胆しない。
他人に自説を無理に押しっけたりせず、求められた時にだけ自分の考えを堂々とのべる。
人の役に立とうという場合でも、恩着せがましいそぶりはみじんも見せない